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リアルと悪夢の中での葛藤 [韓国]

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「韓国インディペンデント映画祭〜リアルと悪夢の中での葛藤」
@アテネフランセ文化センター9/26~29


今週は親族の入院見舞いにかこつけて(お茶の水の病院に入院していたので)アテネ・フランセで開催中の「韓国インディペンデント映画特集〜リアルと悪夢の中での葛藤」で5作品を見て来た。救いのないシビアな作品が多くて辟易したけど、その中でも『彼女の場所で』(14)『青い口のついた顔』(15)『鳥類人間』(14)がかなり見応えあった。
http://www.athenee.net/culturalcenter/program/ko/koreaindependents.html

そういえば、以前は頻繁に韓国インディペンデントの特集やっていましたね。
関連記事→https://e-train.blog.so-net.ne.jp/2006-08-19-1


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創造と開花 [韓国]

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日韓国交正常化50周年 韓国映画1934-1959 創造と開花」@京橋フィルムセンター
(2015年11/21-12/26)


この時期フィルメックスと中国独立電影が被っていて全部という訳にはいかなかったが、未見のもの、申相玉監督作品を中心に見た。申相玉監督はどの作品も面白く、信頼できる監督だと思った。『ある女子大生の告白』を見逃してしまったが、youtubeの韓国映像資料院のチャンネルに上がっていたので、後で見る事にしよう。
そのほか、『女社長』や『青春双曲線』などの東宝のコメディ路線みたいな作品も新鮮だった。日帝下で製作された『授業料』がお蔵入りになった背景を探る講義や、崔銀姫についてのレクチャーも興味深かった。


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日韓名作映画祭 [韓国]

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日韓国交正常化50周年記念 
1960・70年代 日韓名作映画祭 @韓国文化院ハンマダンホール
2015年6月13日(土)〜21日(日)


同時代の日・韓の名作映画を集め上映する試み。今まであったようでなかったプログラミングかもしれない。欲をいえば、それぞれの作品と関連性があったらなお良かった。例えば『馬鹿たちの行進』(75)であれば、『異邦人の河』(75)を一緒に上映するとか。
初めて来たけどハンマダンホール、素晴らしい施設で居心地いい。

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イ・ブル [韓国]

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『イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに』2/4(土)~5/27(日)@森美術館


今回のイ・ブル展を観て思い出したのは、「バラス」のことだった。
沖縄で聴いた話なのだけど、珊瑚の死骸の欠片のことをバラスと言うらしい。
バラスは死骸なのに白くて美しい。ちょっと人骨にも似ている。


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オオブ・プロジェクト [韓国]


빙판과 절벽 (氷板と絶壁)- 어어부 프로젝트


パク・チャヌク&パク・チャンギョン兄弟による『波瀾万丈』(’11)は、iphoneのカメラで撮影されたという33分ほどの短編。その導入部で流れたのが、オオブ・プロジェクトによるこの曲で、久しぶりにビビッと来てしまいました。ドアーズの『まぼろしの世界』とか、後期トム・ウェイツの雰囲気があります。
オオブ・プロジェクトは韓国映画『復讐者に憐れみを』『ヒューマニスト』『コースト・ガード』などのサウンドトッラックも手がけているようですが、オリジナルアルバムも聴いてみたくなりました。
          
                   *

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北朝鮮映画週間 [韓国]

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『北朝鮮映画週間』(7/18~31日・黄金町シネマ・ジャック&ベティにて)。
http://www.jackandbetty.net/kitachosenzenbo.html
http://www.jackandbetty.net/arujogakusei.html

そのプログラムの中から『花を売る乙女』(1972・朴学/崔 イクギュ監督)、アニメ『好童王子と楽浪王女』(1972)、『遊園地の一日』(1978)『月尾島(ウォルミド)』(1982)『洪吉童(ホンギルトン)』(1986・金麒麟監督)、そしてカンヌに出品されたという日本初公開の『ある女学生の日記』(2007)を観た。(リーフレットやHPに監督名が全く載ってないが、監督名不詳というわけではなさそう)
この中では、評判通り『洪吉童(ホンギルトン)』『花を売る乙女』『月尾島(ウォルミド)』が見応えがあった。

                      *

「朝鮮映画事情とその魅力」と題して、朴成徳(パク・ソンド)さんの興味深い講演を聴いた。朴さんは在日同胞で作る劇団「アランサムセ劇団」の作家であり、朝鮮大学で教鞭をとる人物で、チャ・テヒョン似の明るい好青年という感じ。1999年から2001年の2年間に金日成総合大学に留学した経験を持つ。あえてQ&Aの形で、北朝鮮の映画事情をわかりやすく話してくれた。

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全光榮 [韓国]

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全光榮展
2月14日(土)〜3月15日(日)
森アーツセンターギャラリーにて。

http://www.chunkwangyoung.jp/

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サジッタ [韓国]



"your stories " 너의 이야기 (short version)-Sagitta (2005)


サジッタの2ndアルバムが4月末にリリースされてるのですが、まだ日本の流通ベースには乗っていないようだ。
サジッタの話をする前に、フジロックにも出演したCocoreというバンドを先に言及するべきなんだろうけど、最近はロックな気分じゃないのでまたいつか。そのCocoreのリーダーでVo,Gを担当するイ・ウソンと彼の奥さんでデザイナーのイ・ジョンウによる60‘sフレイバー満載のアシッド・フォーク〜ソフト・ロック・ユニットがサジッタである。彼らが5月に出演したイベントの日本語レポートがこちらに→http://smashingmag.com/tour/08tr/080531love_hana2.html
確かにHE6やSan Ul Lim、Shin Joon Hyunや彼がプロデュースしたKim Jung Miが活躍したであろう時代の匂いを感じさせてくれる。

sagitta 1st.jpg "Hello World"
1st album.DVD、写真集つき

sagitta(2005)
beatball



下はそのニューアルバムに入ってってるらしい"Okinawa Love Song"。でも「アロハ・オエ」なんて歌ってるんだけど・・・?。那覇ではやたら台湾人に出会ったけど、韓国人もよく沖縄へ行くのだろうか。新原ビーチがロケ地になってるみたいだ。どんな内容の歌詞なのか気になるところだ。

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"Okinawa Love Song" 오키나와 러브 송- the Sagitta (2008)


http://thesagitta.com/
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密陽 [韓国]


『シークレット・サンシャイン』(原題:密陽) 


東京フィルメックス、当日券で鑑賞。
『ペパーミント・キャンディ』(1999)に心酔して以来、イ・チャンドン監督の作品は見逃せない。

「密陽」(ミリャン)とは韓国の地方都市。主人公シネは亡くなった夫の育った街に一人息子を連れてやってきた。そこで知り合った車整備会社の社長は独身で、何かとシネたちの面倒を見てくれるのだ。そんな「太陽の光が密かに降り注ぐ」ようなトポスで事件は起きる。

冬の陽光を絵に描くためにはどうするか。
白や黄色の絵の具を使えば良いってもんでもなく、例えばレンブラントの絵のように,黒い背景や人物の影を強調することで、光の存在を表現する。たぶん、この映画の主人公シネ(チョン・ドヨン)の存在はその黒い絵の具の部分を負っている。彼女の絶望が黒いほど、車整備会社の彼(ソン・ガンホ)の地味な存在が浮かび上がってくる仕組みになっている。だから被害者が加害者を許せるか、とか、宗教団体の実体はこうだとか、そういうテーマでは描かれていない。むしろ、「世界とは何であるか」という古来からの哲学者の永遠の思索がこの映画にある。
カンヌはチョン・ドヨンに主演女優賞をあげたが、むしろソン・ガンホにあげたいと思う。

グリーンフィッシュ [DVD]

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ペパーミント・キャンディー [DVD]

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シークレット・サンシャイン [DVD]

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高麗葬 [韓国]

映画も怖いが顔も恐い。
(上のチラシはキム・ギヨン(金綺泳)監督が亡くなった98年の追悼上映のもの)

一昨年前、「知られざる韓流〜オトコとオンナの映画秘湯2nd show」というイベントで、代表作といわれる『下女』(1960)と『死んでもいい経験』(1988-95)を観た。どなたかも指摘してましたが、画面から梅図かずお先生(吉祥寺の紅白ボーダーハウス周辺の方々、ご愁傷様です)のあの「恐怖の細かい効果線」が見えてくるような映画だった。『下女』は監督自身が何度もリメイクしているだけあって、確かに緊張感と、見せ所あって面白いのですが、ラストはいただけない。座席からずり落ちそうになった。(それでも第8回アジア映画祭で小津の「秋日和」とグランプリを争ったという)

東京国際映画祭のディスカバー亜州電影での企画上映で観た『高麗葬』(1963)はフィルムが欠損しているにもかかわらず、最高傑作にふさわしい見応えのあるものだった。(欠損部分は文字説明があるのですが、またそこが面白そうな所だったりする)
高麗時代の貧しい農村。満足に食う事ができない幼子グリョンのため母親は10人兄弟の子供のいる家に後妻として入る。グリョンの存在で生存を脅かされそうになった兄弟たちは、毒ヘピをしかけグリョンの足を不自由にしてしまう。村を精神的に支配する巫女は、将来、グリョンが10人兄弟を殺してしまうだろうと,預言する・・・・。

古来からのシャーマニズム、巫女(巫堂ムーダン)が霊魂に供物や踊りを捧げる「クッ」という儀式が未だに朝鮮には残ってるようで、その辺がリアルに描写されているようだ。女の子が生け贄にされるシーンは唖然とさせられる。また母親を仙人峰という乳母捨て山に捨てにいくあたりはスリリングだ。大きなハゲタカが母親の体をついばむシーンは最もショッキングなシーンのひとつ。どうやって撮ったのだろう?
ラストでは村を支配する巫女を全否定するわけだが、韓国社会にはびこる村社会性、迷信や血族的呪縛、そういったものから抗おうとする姿勢がこの映画から読み取れた。公開当時は相当な問題作なのではなかったか。





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