パパイヤの香り [ベトナム]
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『パパイヤの香り』(1993)トラン・アン・ユン監督
1951年、10歳のムイは使用人として働くためにサイゴンの資産家の家でに連れてこられた。その家には優しい女主人、根無し草の旦那、三人の息子たち、そして孫娘を失って以来二階にこもりっきりのお婆さんがいた。ムイは先輩女中に教えられ、一家の雑事を懸命にこなしていく。そして彼女は、ある日長男が連れてきた友人クェンに恋心を抱く。
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今回再見して気づいたのは、ムイにちょっかい出す一家の末っ子がまるで爆弾小僧(横山準)だったこと。(次男は葉山正雄似か)屁をこいたり(×2回)、後ろ姿で尻をかく造作が小津映画のオマージュにも見えた。
後半、20歳になったムイがクェンという若き音楽家の使用人になるパートは、ジョルジュ・バルビエの絵をそのまま体現したようなエキゾチシズムあふれる美しい画で、ため息をつく。監督の中で一番好きなのは『シクロ』(1995)だったが、この映画も甲乙つけがたい傑作だと改めて思った。
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飯田橋アンスティチュ・フランセで『パパイヤの香り』(94)特別上映会+トークを観て来た。監督の来日に合わせたイベントで、トークは石坂健治さんの司会進行。個人的には『パパイヤの香り』を観るのは今は亡きシネマスクエア東急@新宿の劇場で観て以来なので、実に二十数年ぶりになる。
トラン・アン・ユン監督とヌー・イェン・ケーのトークは非常に興味深かった。長編デビュー前後の話や、カメラワークが溝口の影響を受けていること、隠喩と映画のエクリチュール、ベトナムでやっているワークショップの成果が『三番目の妻』(アシュ・メイフェア監督)として結実していること、映画人生の中で『シクロ』(1995)の撮影で一年間サイゴンに滞在したことが作品含め印象に残っている、と話していた。
『パパイヤの香り』(1993)トラン・アン・ユン監督
1951年、10歳のムイは使用人として働くためにサイゴンの資産家の家でに連れてこられた。その家には優しい女主人、根無し草の旦那、三人の息子たち、そして孫娘を失って以来二階にこもりっきりのお婆さんがいた。ムイは先輩女中に教えられ、一家の雑事を懸命にこなしていく。そして彼女は、ある日長男が連れてきた友人クェンに恋心を抱く。
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今回再見して気づいたのは、ムイにちょっかい出す一家の末っ子がまるで爆弾小僧(横山準)だったこと。(次男は葉山正雄似か)屁をこいたり(×2回)、後ろ姿で尻をかく造作が小津映画のオマージュにも見えた。
後半、20歳になったムイがクェンという若き音楽家の使用人になるパートは、ジョルジュ・バルビエの絵をそのまま体現したようなエキゾチシズムあふれる美しい画で、ため息をつく。監督の中で一番好きなのは『シクロ』(1995)だったが、この映画も甲乙つけがたい傑作だと改めて思った。
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飯田橋アンスティチュ・フランセで『パパイヤの香り』(94)特別上映会+トークを観て来た。監督の来日に合わせたイベントで、トークは石坂健治さんの司会進行。個人的には『パパイヤの香り』を観るのは今は亡きシネマスクエア東急@新宿の劇場で観て以来なので、実に二十数年ぶりになる。
トラン・アン・ユン監督とヌー・イェン・ケーのトークは非常に興味深かった。長編デビュー前後の話や、カメラワークが溝口の影響を受けていること、隠喩と映画のエクリチュール、ベトナムでやっているワークショップの成果が『三番目の妻』(アシュ・メイフェア監督)として結実していること、映画人生の中で『シクロ』(1995)の撮影で一年間サイゴンに滞在したことが作品含め印象に残っている、と話していた。
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