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インディアン・シネマ・ウィーク [インド・南アジア]

昨日はキネカ大森で「インディアン・シネマ・ウィーク2018」のプログラムから『同意』(Raazi)とマニ・ラトナム監督『吹き渡る風に』を観て来た。『ドゥルガー〜女神の闘い』は英語版ですでに視聴しているが、そのメモ。



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『同意』(Raazi)メーグナー・グルザール 監督

1971年、印パ戦争の緊張高まる中、デリーの女子大生サフマトは病床の父親の意志を継いでスパイになることを決意。2か月に渡る訓練の後、父親の友人であるパキスタン軍高官の息子に嫁ぎ、モールス信号で情報をインド側に送る。パキスタン側はそれに気づき、犯人探しに乗り出す。
いやー、これは面白かった。『シュリ』を思い出すところもあるけど、当時のアナログ的スパイ活動とインド・パキスタンの濃密な人間関係が見事にハマッている。轢かれそうになったリスを助けるような女子大生が、血なまぐさいスパイになっていく様が恐ろしくも哀しい。
主演のアーリヤー・バット、可憐で美人なんだけど、泣くとローラ・ダーンみたいなすごい顔になるのも印象的だった。


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『吹き渡る風に』(Kaatru Veliyidai/Komali)マニ・ラトナム監督

'99年のカールギル紛争で撃墜されパ側の捕虜になったパイロットのワルンは、別れた恋人リーラーのことを思い続けている。ある日、監獄から脱走してインド帰還を目指す。主演男優の猟奇的な顔と役柄が相まってキョーレツなキャラに。これ、国際版ということでかなりカットされてる?
恋人リーラーの兄の死を、ワルンが関係してるように匂わせてるんだけど、彼の振る舞いがそれに起因してるのか先天的なものなのかよくわからない。その悲しみを抱えてる話であれば、結構切ない話ではある。あるいは、晩年のアルドリッチや鈴木清順の男の美学的な映画にも見えなくもない。


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『ドゥルガー〜女神の闘い』(原題:KAHAANI 2)スジョーイ・ゴーシュ監督

足の不自由な娘の治療のため渡米を間近に控えていたヴィダヤは、ある日、娘を誘拐されてしまう。その上、自身も交通事故に遭い瀕死の状態に。警察署に赴任して来たインデルは、彼女がかつての妻であることに気づき、残された日記から8年前の彼女の記憶を辿っていく。
前作の衝撃はないものの、観客の(前作の)記憶をうまく利用した巧みな「物語」に心地よく翻弄された。ベンガル州・チャンダンナガルと山岳地帯のカリンポンの現在と過去行き来して、クライマックスをコルカタで迎える展開はシビれる。2人のかつての関係をほとんど描かず最後に想像させるのも渋い。

『女神は二度微笑む』(原題:KAHAANI シリーズ前作)
https://e-train.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28


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