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キドラット・タヒミック [フィリピン]

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『500年の航海』(28thTIFFで『お里帰り』のタイトルで上映された)の公開を記念してのキドラット・タヒミック特集上映
『悪夢の香り『虹のアルバム』は既に観た事があるのでそれ以外を中心に観る。

関連記事→https://e-train.blog.so-net.ne.jp/2015-11-03(『お里帰り』)
    →https://e-train.blog.so-net.ne.jp/2018-11-03(『それぞれの道のり』)



●『メイド・イン・ホンコン』(1980)

秀茂坪の屋邨に住むチョイとソウ・ケイの夫婦。娘ヤン・ケイの誕生で生活は慌しくなる。夫は有料道路の料金所の仕事を増やした。妻は衣服工場で事故の経験があり、将来のために法制改善の運動に参加。S.ホイの歌、成龍の看板、胡金の映画。時代だなぁという感じ。
白塗りのタヒミック監督によるチャップリン風の寸劇も。陳果監督もこれ観てるのだろうか。冒頭のサミュエル・ホイの歌はビル・ヘイリー「rock around the clock」の広東語カバー。
https://youtu.be/RdX43wWkC_0


●『トゥルンバ祭』(1983)

’71年、ラグナ州パキル。嘆きの聖母を担ぐ祭で三代に渡って歌い手を務めるロミ一家。紙細工を売るために家族総出で働く。ある日、ドイツ人女性が現れ大量のミュンヘン・オリンピック用マスコットを発注したため騒動が。少年カドゥの目線で描かれ、ある時代への郷愁が素晴らしい。
街の中心にはサンペトロ・アルカンタルラ教会あり、パキル出身でフィリピンのパレストリーナと言われるマルセロ・アドネイという作曲兼オルガン奏者の像がある。
タヒミック監督は出て来ないが、現地の人を起用したドキュメンタリー風フィクションが良い塩梅。こんなストレートな作品もあったんですね。秀作。

●『フィリピンふんどし 日本の夏』(1996)

なぜイゴロト族の若者はフンドシ(ハバク)を恥ずかしがるのか?なぜマドンナの体型に憧れるのか?ハリウッド標準(スタンダード)に異議を唱える監督。日本でフンドシ活動に勤しむ監督と息子たちの姿に魂の解放と微笑み。「西部劇が神話を抹殺する」という小川紳介の言葉が引用される。広島〜竹寺への巡礼旅。
日本のカメラじゃダメだ、竹カメラじゃないと!自分のカメラで自分の物語をとれ!のメッセージ。山下将軍を狙った爆弾の弾頭を川で拾って作ったという鐘のオブジェが広島で掲示されるのも印象的に残る。


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メンドーサ監督、三男カブニャンさんとタヒミック監督。
オムニバス『それぞれの道のり』上映後のトークで。(31thTIFF)


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