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北朝鮮映画週間 [韓国]

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『北朝鮮映画週間』(7/18~31日・黄金町シネマ・ジャック&ベティにて)。
http://www.jackandbetty.net/kitachosenzenbo.html
http://www.jackandbetty.net/arujogakusei.html

そのプログラムの中から『花を売る乙女』(1972・朴学/崔 イクギュ監督)、アニメ『好童王子と楽浪王女』(1972)、『遊園地の一日』(1978)『月尾島(ウォルミド)』(1982)『洪吉童(ホンギルトン)』(1986・金麒麟監督)、そしてカンヌに出品されたという日本初公開の『ある女学生の日記』(2007)を観た。(リーフレットやHPに監督名が全く載ってないが、監督名不詳というわけではなさそう)
この中では、評判通り『洪吉童(ホンギルトン)』『花を売る乙女』『月尾島(ウォルミド)』が見応えがあった。

                      *

「朝鮮映画事情とその魅力」と題して、朴成徳(パク・ソンド)さんの興味深い講演を聴いた。朴さんは在日同胞で作る劇団「アランサムセ劇団」の作家であり、朝鮮大学で教鞭をとる人物で、チャ・テヒョン似の明るい好青年という感じ。1999年から2001年の2年間に金日成総合大学に留学した経験を持つ。あえてQ&Aの形で、北朝鮮の映画事情をわかりやすく話してくれた。

Q  北朝鮮映画は年に何本作られるのか?
A わからない

Q 金正日総書記は映画をチェックしているのか
A していない。ただ、『血の海』(1969・崔 イクギュ監督)という抗日映画には金正日が現場に入り、指導したという話。
 1968~70年中半は朝鮮映画の黄金期と言われている。それは、抗日パルチザン時代に農村などで披露した10分間のプロパガンダ演劇を、2時間の大作映画にする運動があったからだと思われる。
ピョンヤンの芸術家もべらんめえ口調で、無頼派な芸術家が多かったが『花を売る女』からは、上から全員社会人たれ、というお達しが出て変化した。
脚本は、国家審議委員会の下に3つの映画会社があり、そこに所属している脚本家が書く場合と、一般から募集したものを採用する場合がある。

Q プロパガンダ映画を国民は楽しんでいるのか?
A イエス。純粋に映画を楽しんでいる。人民は「映画は全て政治である」と思っていて、抵抗感はなく、約束事の中で観ているという感じ。また、商業的にヒットするという発想がない。

Q 役者たちはいい生活をしているのか?
A ホン・ヨンヒ(『花を売る少女』の主役)は日産の黄色いマーチに乗っていた。(99年頃の目撃)党から贈られたらしい。映画人にはランクがあり、功勲俳優、人民俳優とがいる。(功勲体育人もいる。ボクシングの徳山昌守は「英雄」で、地下鉄乗り放題なのだそうだ。)
”水曜労働”というのがあり、全国民が農作に行き、刈り入れ、田植えなどに行く。都市部の人もやる。

Q 外国映画は観られるのか?
一部の人たち、映画製作者は観ている。
『タイタニック』で主人公のジャックと貴族の女の子が唾を飛ばすシーンに、金総書記は、貴賤がなく、衣装がすばらしかった、と褒めていたという。
日本映画では『男はつらいよ』、『人間の証明』、『釣りバカ日誌』、『新幹線大爆破』、黒沢作品などが知られている。学校では『シュリ』も観られる。ちなみに旺載山(ワンチェサン)音楽大学にはビートルズも揃っている。


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