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判事ディー [香港特区]


王朝の陰謀  判事ディーと人体発火怪奇事件 スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件 スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • メディア: Blu-ray




『王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件』ツイ・ハーク監督

紀元689年、唐王朝時代。洛陽の都では天にも届く巨大な仏塔「通天仏」の建立が進んでいた。その完成は即天武后(カリーナ・ラウ)が中国初の女帝の座に就くことを意味していた。しかし、完成を目前に、政権の重要人物の身体が突然発火し、死に至るという不可解な事件が続発する。反逆者の仕業とみた武后は、彼女を非難したかどで投獄されていたディー判事(アンディ・ラウ)を呼び寄せ、怪事件の謎を解くよう命じるのだった。
 
                    *

問題山積の現世を忘れて、心底楽しめるようなエンターテイメント作品はないか、と探していたら、あった、あった、ありました。“痛快娯楽冒険活劇”、そんな言葉がピッタリの映画が。監督は、お久しぶりの感ある香港映画の巨匠ツイ・ハーク監督。CGをバリバリに使ってはいるのだが、どこか懐かしい肌触り。『仮面の忍者 赤影』だとか(ちょっと古いですか?)、諸星大二郎の中国怪異モノのマンガを思い出す。
主人公のディー判事はあの「三大悪女」の一人に数えられる則天武后に使えたという実在した人物で、オランダの外交官で作家のロバート・ファン・ヒューリックによって、ミステリー小説の人気シリーズの主人公になった。一般的にはあまり知られていないが、「ポケミス」ファンにはお馴染みのようで、中国のシャーロック・ホームズとの異名もあるそうだ。

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日本で初めて紹介されたヒューリック(グーリック名義)の本。 昭和26年発行。魚返善雄訳。江戸川乱歩による序文。ディー判事ではなく、狄(てき)判官となっている。

映画はツイ・ハーク監督らしいカンフー・アクションもあって、ヒューリックのミステリー小説より派手さを増しているようだけど、人が自然発火して次々と死んで行く謎解きや、王朝と反勢力の陰謀が絡み、重厚な物語世界を構築している。(深読みすると現代中国の比喩もあるのかな、と思えないこともない)自然発火の件ですが、大きな虫眼鏡で太陽光を焦点して発火させてるのでは?という僕の推理は、大外れでした。

奇妙な虫が出て来たり、鹿がしゃべったり、男装の麗人が登場したりと伝奇的な装いに加え、スカイ・ツリーよりも高いという仏像(ちなみに唐の時代の設定ですヨ)のレトロフューチャー的世界観になぜかとても惹かれてしまう。それが物語のクライマックスで崩壊していくというお約束のスペクタキュラーはエンターテイメント映画の真骨頂。ディー判事のキャラいいなあ、と思っていたら、すでにシリーズ第二弾のクランクインも決まっているそうである。映画の方も人気シリーズになりそうな予感がする。(★★★☆)

初出「旅シネ」より

『王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件』
2010年/中国・香港 監督:ツイ・ハーク 出演:アンディ・ラウ、リー・ピンピン、ダン・チャオ、レオン・カーフェイ、カリーナ・ラウ 提供:ツイン 配給:太秦 上映時間:128分 公開:5月5日(土)、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次ロードショー 公式サイト:http://www.dee-movie.com/

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