陳漫 [中国]
『GLAMOROUS FUTURIST 陳漫』展 @ DIESEL ART GALLAERY
2/17(土)~5/11(金)(終了)
シンディ・クロフォード、フェイ・ウォン、コン・リーなど世界のセレブリティから指名をうける80后世代のファッション・フォトグラファー、陳漫の展覧会を観て来た。
中国版の「VOGUE」や「ELLE」で発表したと思しき作品が並ぶ。
写真をペイント加工して行くスタイルは、なるほど、ピエールとジルを彷彿とさせるが、彼らの画像が少々厚塗りの油彩とすれば、こちらは透明感のある水彩、あるいは水墨画という感じ。青磁のような青を基調とした色彩がいい。人物は日本のアニメのように鋭角にディフォルメされたようにみえる。服が風にたなびいているようで、軽やかで、今にも動き出しそうだ。動く映像からピン抜きしたような写真という感じもする。中華的、東洋的なモチーフ。京劇の孫悟空の隈取りをあしらったポートレイトもお洒落にまとめられていた。
奥の壁には『Five Elements』というシリーズが展示してあった。ははん、これは陰陽五行説でいうところの5大元素の事だとすぐに理解できたのだけど、展示しているパネルがなぜか6つある。「?」と思っていたところ、学芸員のお姐さんが、2つで1つ、対になった作品だと説明してくれた。「金(メタル)の女神」と「金(メタル)にまつわる仕事をしている中国の市井の女性」、「水の女神」と「水産業に従事する女性」、「火の女神」と「溶接工場で働く女性」という風に、ファッショナブルなアート写真とドキュメンタリー写真を対にした組写真になっていたのだった。
「あれ?3組しか展示してないですね?あとの2元素は?」と聴くと、「さあ・・・どうしてでしょう?」と学芸員さんも首をかしげる。たぶん、ギャラリーの壁が狭すぎたのだろう、と二人で納得する。親切な学芸員さんは、黒いハイヒールに、かわいい赤の旗袍を着ていた。(写真に撮らせてもらうんだった)昨年11月に上海現代美術館で開催された陳漫のレトロスペクティブの大判の図録も観させてもらった。
販売されていた大判のポストカード。
右のカードはアメリカのピンナップガールを中華風に模した作品。このシリーズも良かったです。
中央は『Five Elements』の「水の女神」。
インタビュー記事:http://www.diesel.co.jp/art/interview08.html
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