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中国独立电影展2011 [中国]

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今回で3回目の『中国インディベンデント映画祭』は、多数の監督・ゲスト来場があり、Q&Aも活発で、会場が熱気につつまれていた。ポレポレ東中野の入り口の所で、あれ?観た顔・・・と思ったら章明監督がさり気なく立っていたり、徐童監督と被写体だった娼婦の方が映画から飛び出して来たようにゲストに来られたりと、中国(と、一言で片付けられない距離と多様さを持っているのだけれど)と東京・東中野が地下で繋がってしまったように感じた一週間だった。


関連記事:http://e-train.blog.so-net.ne.jp/2008-09-10
     http://e-train.blog.so-net.ne.jp/2009-12-12


以下、ツイッターのまとめです。

【2011年12月03日(土)】

ポレポレ東中野で「中国インディペンデント映画祭2011」の初日。『冬に生まれて』と『歓楽のポエム』の2本。共通して「ハサミのない美容室」と「全裸」の出てくる映画だった。

『冬に生まれて』('08) 楊瑾監督

問題ばかり起こす19才のアルトンは教会の学校へ預けられるが、結局退学処分に。そこで知り合った少女と駆け落ちするが・・・。田舎の退屈な日常、煮え切らない青春が150分の長尺で、さらに強調される感じ。結婚式のシーンが寂しかった。主人公がもっと暴れてもいいのになあ、と思ったのは前日に鈴木清順の『悪太郎』を観てしまったからか。アルトンの出自はもっと早い段階で明らかにして、甘やかしすぎる母親との確執を軸に展開しても良かったのではないかと思う。

『歓楽のポエム』('10) 趙大勇監督

広州で怪しい職業斡旋所を営む男が、紆余曲折を経て逮捕される。留置所には、容疑者たちに自作の詩(ゴミ派)を読ませる本職の警官がいて・・。画に色気があるし、今までにない妙な感触の映画でかなり面白かった。舞台はもしかして三元里あたりなのかな?予定してなかったけど、この監督の『ゴーストタウン』も観なきゃいけないな。

【2011年12月06日(火)】

明日、「中国インディペンデント映画祭」の関連イベント「日吉電影節2011」でも上映されるようですが、欧陽杰(オウヤン・ジエ)監督の『息子とゴキブリ』(’07)っていう短編が、すごく面白かったのを思い出した。少年の面構えが良かった覚えがある。

【2011年12月08日(木)】

『ゴーストタウン』('08) 趙大勇監督

雲南省・怒江自治区のある寂れた街。ここはかつて貢山県の県都で、リス族やヌ族が住み着いている。’30年頃から基督教の布教活動が盛んで、今も教会が人々の拠り所に。共産党により‘59年から20年間投獄されていた宣教師。酒に溺れた男。嫁いで来た女。孤児たち。宣教師は、かつて弾いていた伝統的な三弦琵琶をキリスト教信仰のため破棄した。老婆の唄う歌や山岳信仰の悪霊祓いの掛け声は、民族や土地の記憶、歴史を物語る。

『花嫁』('09)章明監督

重慶市巫山。ある事件で妻を亡くしたチー。友人の中年男たちは彼に嫁を見つけてやろうと腐心するが、その裏には黒い企てがあった。ベテラン監督の妙味!表面の飄々とした笑いの下に毒があり、伝奇物語の趣きも。荒俣宏(デリカット風味)とチュンタイのキャラが素晴らしい。

『ピアシングI』('09)劉健監督

2008年の金融危機を背景に、工場を解雇された青年が被る不条理と、友人にそそのかされる一攫千金話。独特のダークな色調と味のある絵柄。満月の光りが一番まぶしく見える。丁寧に作り込まれているけど、音なのか、動きなのか、いまひとつ迫力に欠けるのが残念。

【2011年12月10日(土)】

『書記』('09)周浩監督

中国の地方行政と党の関わりを知る上でとても興味深い作品。河南省信陽市固始県。三ヶ月後に離任予定の県委・郭書記に密着取材。様々な陳情を聴き、税収分配の議論をし、投資呼び込みの為の接待攻勢で、帰りはいつも午前様。人間味ある采配や、その酔いっぷりに親近感を持つ。
よく書記が取材を承諾したなあと思う反面、その脇の甘さ(ちょっと見栄っ張り)がラストの見事なオチに繋がっているのでは?と推察。『高三』('06)の監督ということで、期待通りの面白さだった。

『占い師』('10)徐童監督

河北省燕郊鎮。娼婦などを相手に生計を立てる占い師リーはリウマチで足が変形している。彼には障害のある妻がいる。言葉を失うようなシーンの連続だが、ユーモアも忘れない。見かけは飄々としたリーさんの懐の深さと力強さが印象的。ボロボロの「馬前課」が彼自身と重なる。

【2011年12月14日(水)】

『恋曲』('10) 張賛波監督

カラオケバーで働く従業員女性が客と恋仲に。しかし男性に妻子がいることが発覚して泥沼に。わりとありがちな話かと思うけど、被写体の女子が漂亮なので観入ってしまう。二人がカラオケで唄う自分たちのテーマソング=流行歌がサンドイッチの具のように挿まれる。
 監督の微妙な立ち位置も気になったが、QAを聞いた人の話では二人の間には何もあやしい関係はない、とのこと。落ち込む彼女に、監督、今チャンスだよ!と心の中で叫んでしまったシーンが2カ所くらいあった。極私的ドキュもそろそろ出て来そうな予感。
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