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第12回フィルメックス [アジア総合]

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第12 回東京フィルメックス。ツイッターメモのまとめ。

チケット発売日に体調崩し出遅れる。結局、キム・ギドク監督『アリラン』、購入できず。
相米慎二特集に感慨深いものもあるけど、まだ回顧するには早いような気がして先送りする。

【2011年11月19日(土)】

土曜日、大雨の中、3つのイベントを行脚。トーキョーワンダーサイト渋谷で『アートの課題2011:僕らはいま一体どこにたっているんだろう?』展。その後、渋谷公会堂でゴダイゴの結成35周年ライブ。そして有楽町へ。

●『人山人海』蔡尚君監督

有楽町でフィルメックスの一本目。弟を殺した犯人を追って貴州から、重慶、そして北部の非合法の炭坑へ彷徨うラオ・ティエ(老鉄)。彼は石採場で同僚に怪我を負わせたために賠償金を払わなければ成らない足枷もあった。冒頭のリアルな殺人シーンからしてただならぬ映画的センスを感じる。「農民工」ハードボイルドとでもいうべき寡黙さ。復讐劇というよりは、歯車の食い違ってしまった人生を送る男の末路。衝撃的ラストにある種の救いも感じさせる。


【2011年11月21日(月)】

月曜日、フィルメックスで韓国映画『カウントダウン』、希少なスリランカ映画『フライング・フィッシュ』、チベット人監督によるチベット映画『オールド・ドッグ』、賈樟柯プロデュースのドキュ『我が道を語る』。そういえば、今年のフィルメックス、犬だらけだなあ。

●『カウントダウン』ホ・ジョンホ監督

アクション・コメディという謳い文句に、笑いを期待して観たのに、あまり笑えず。むしろシリアス展開の哀しい物語に泣かされてしまう。フィルメックスにはいつしか「お涙頂戴枠」が存在するようになった。
肝癌で余命宣告を受けた男は、移植手術のため、死んだ息子の臓器を提供した女を適合ドナーとして探し出す。彼女は詐欺師で恨みを買った2つのヤクザグループ(1つは延辺・朝鮮族派)に狙われている。彼女を病院に連れ出す中、男はダウン症の息子の記憶を思い出す。カセットテープが重要な小道具に。

●『フライング・フィッシュ』サンジーワ・プシュパクマーラ監督

内戦下のスリランカ東部の村。タミル解放の虎軍と政府軍に抑圧される三家族の物語。(LTTEに脅迫されていたのがタミル人で、あとはシンハラ人か)決して饒舌ではないが、大胆なセックス描写、クライマックスの畳み掛ける展開に驚いた。必見の問題作。

●『オールド・ドッグ』ペマツェダン監督

チベタン・マスチフの老犬を売ろうとする息子(不妊で子供ができない)、それを阻止する老人。チベタン犬は中国セレブのステイタス・シンボルになっており、高級車並みの値段がつく。市場経済と開発の進むチベットを舞台に民族存続の危機を訴える見事な秀作。

●『我が道を語る』賈樟柯、宋方、衛 鉄、陳翠梅、陳涛、陳摯恒、王子昭監督

新しい活動に挑む中国人たちを紹介するオムニバスのドキュ。内容はそれなりだけど、統一感を出す為なのか、監督は異なるのにどれも同じような質感で単調だったかな。唯一、陳翠梅がモノクロで撮っているけど、マレーシア出身の彼女を起用する意図も謎。

【2011年11月24日(木)】

年末ジャンボの列がナーガ神のよう。

●『We can't go home again』(73)ニコラス・レイ監督

11年再編集版。映画の「フレーム」と社会の「フレーム」への抵抗か。最近観た3Dでさえこのフレームは超えられず。自身の解体。ウォーホール、ナム・ジュン・パイクの名前も。ムーグ・シンセの音。エズラ・パウンド「刷新せよ」の言葉。

●『独り者の山』干広義監督

黒龍江省山間部の村。妻を亡くし木こりの仕事を失業してから孤独な生活を送る46歳の男。(千秋実に似ている)彼には10年前から意中の女性がいたが、彼女がトムボーイ(同性愛者)だったことがわかる。それでも諦めず献身的な振る舞いをする。切ないドキュだった。セリバテール枠も毎年恒例になりそう。

●『ニーチェの馬』タル・ベーラ監督

荒野の一軒家に住む右手のマヒした老人とその娘、そして走らなくなった馬。家の外には外界との接触を遮るような激しい風が吹いている・・・・。繊細であると同時に力強さをもったモノクロ映像。”世界の消滅”の瞬間に立ち会ってしまったかのような錯覚を覚える。

【2011年11月25日(金)】

せっかくなのでシネマヴェーラで鈴木清順監督の『野獣の青春』『花と怒涛』の好カードを観た後、フィルメックス最後の一本へ向かう。

●『ミスター・ツリー』韩杰監督

東北地方のある村(遼源市)。整備工のシュウはトラブル続きで人生うまくいかない。少年時代、父と兄を亡くした深い傷がある。そんな彼にも恋人が出来るが、結婚式前日に弟と殴り合いの喧嘩をした後、言動がおかしくなってしまう。
後半、どこまでがシュウの現実で幻想、はたまた妄想なのかわからなくなる。丘の上に立つ一本の樹が、変わりゆく村の様子を物語っているようにも見える。主演が金山一彦によく似てた。


【2011年11月27日(日)】

フィルメックス、コンペ全部観てないし、当たったためしないけど、『オールド・ドッグ』と『フライング・フィッシュ』のどちらかは賞に絡むのではないかと予想。

今年は、学生審査員賞も創設されたみたい。全賞の予想が当たった人の中から抽選で3名様に「紀伊国屋レーベルDVD10本セット」をプレゼント、みたいな企画があったら 、もっと盛り上がるような気がする。(お客さんは十分入ってると思うけど)

RT @saruKmovie: 最優秀作品賞:「オールド ・ドッグ」、審査員特別賞(コダックVISONアワード):「ムサン日記〜白い犬」、学生審査員賞:「東京プレイボーイクラブ」、観客賞:「アリラン」 #filmex


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