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恵比像 [アジア総合]

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『第2回恵比寿映像祭 歌をさがして』 @東京都写真美術館 2/28(日)まで
http://www.yebizo.com/

ホールの映像上映は時間が合わず、展示の方のみ鑑賞。(こちらは無料)
一番の目当ては『ウンタマギルー』『パラダイス・ビュー』を撮った高嶺剛監督の作品。カラフルなペインティングと、映画の脚本や写真をコラージュした作品(映画のイメージボード風)がかなりのボリュームで展示されてあった。監督の映画を観たことがある人なら判ると思うのですが、登場人物はほとんど沖縄語を話していて、日本語の字幕が入る。だから、脚本のセリフも当然沖縄語で書かれているのだろうと思っていたら、標準語だったのが意外だった。もちろん、ここは(沖縄語)という指定があるのですが。つい最近、関連企画で観たばかりの『幻夢琉球 つる・ヘンリー』(1998)に出て来た、ガジュマルの木にひっかかっていた「ラブーの恋」の脚本の小道具や、古いポスターも展示されていた。

その隣は編集者であり写真家の都築響一の展示。場末のスナック風のテーブルセットとともにレーザー・カラオケの映像と音が流れていた。なんだか和んでしまう。お酒飲も飲めたらよかったのに。

シンガポール出身のミン・ウォンによる展示『馬来四伝』は往年のマレー映画を、作家自らが再演しているらしいモノクロ映像作品。反対側の壁には、どこか既視感のあるシンガポールあるいはマレーシアのローカル色強い映画館を撮った小さな写真がいくつも並んでいた。この作品群はシンガポール独立前の「映画の都」のイメージから来ているものだろうか。

山城知佳子の『沈む声、赤い息』という映像は、沖縄の海に、何本かのマイクを束ねて沈め、歴史、記憶を集めているような作品。渋谷の街角でも彼女の別の作品が流れていた模様。(参考資料 http://www.youtube.com/watch?v=I-VqGrn0UZ8

フィオナ・タンは、インドネシア出身でオランダ在住らしいですが、『ダウン・サイド・アップ』というエッシャーのだまし絵的なモノクロ映像はシンプルながら印象に残った。セルビア出身のカタリーナ・ズィディラーの、発声やディクテーションに焦点を当てたヴィデオ作品も面白かった。エリック・ロメールの『緑の光線』を地でいくタシダ・ディーンの作品もあった。
そのほか、ナム・ジュン・パイク、ジョン・ケージの古典的作品から、高嶺剛監督やタヒミック監督に影響を与えたと思われるジョナス・メカスの展示も。




本来、映像祭なので、ホールでやっていた映像上映がメインディッシュ。イランのシリン・シャネット監督の『男のいない女たち』はヴェネツィアで銀獅子賞を撮った作品。大映映画傑作選『お伝地獄』(1960)、上海派対(シャンハイ・パーティー)という楊福東も参加している中国若手作家特集、「失われた映画史〜シンガポール映画の黄金期」というレクチャーなどもプログラムとしてあったようです。
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