キム・ギドク [韓国]
韓国に行くと、至る所で兵士を見かける。休暇中なのか仲間と軍服姿で群れてる者。両親と束の間の再会をしている者。そんな光景に出会うと、停戦状態であるとはいえ、韓国が未だ戦時下にあることを思い知らされる。
ある兵士の狂気と悲哀。「地獄の黙示録」にも通じる所がある。映画祭上映のみで劇場公開されなかったのはその過激さゆえだろうか?
まだDVD化されていないけど、黒人アメリカ兵を父親に持つハーフの少年を描いた『受取人不明』も、かなり政治的で、挑発的な作品。今年の4〜5月に開催された韓流シネマフェスティバルで観たのだけれど、両作品とも、観終わった後、あまりの重さにぐったり。放心状態だった。
キム・ギドク監督は最近立て続けにベルリン(『春夏秋冬そして春』)やヴェネチア(『サマリア』)で大賞を穫っているが、もっともギドクらしさが出ているのはこの『コースト・ガード』や『受取人不明』あるいは『悪い男』あたりだろう。
2005-08-25 09:45
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