不見不散 [台湾]
本日公開初日なのにタイトルは『楽日』。
東京国際映画祭では『さらば、龍門客桟』のタイトルで上映された。原題は『不散』。
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ツァイ・ミンリャンの間違いなく最高傑作である『楽日』は、映し出されては消えて行った数々の映画の残像と、それを映し出してきた映画館に捧げられたオマージュだ。
閉館される古い映画館の最後の一日を、スクリーンを通して我々も一緒に過ごす。するとどうだろう、台北に実際に存在していた「福和大戯院」という映画館の老齢な「顔」がはっきりと見えてくる。足の悪い受付嬢が「映画」という「光のドット」を全身で受けるシーンは、ため息がでるほど美しい場面だ。そして、映画史に記憶されるだろう圧巻のラストシーン。ツァイ監督はその古ぼけた巨大な映画館を骨董品のように美しく浮かび上がらせてしまう。
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以前取り上げた『浮気雲』は『西瓜』というタイトルで来月公開予定。
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