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大阪Baby blue [タイ]


Tam+Pod at graf media gm, Osaka ,5 August 2005
(Soi graf in summer 2005)

去年の2月に高円寺・円盤で行われたPod+すずえりのコラボも素晴らしかったけれど、
今回のPod(Moderndog)+Tum(Wisut Ponnimit)の、ありそうでなさそうな意外な組み合わせも、予想以上の素晴らしさだった。

「今までのボクを忘れてください」
ドラムセットの前に座り、Tumくんがポツリと言った。

普段は柔和なTumくんの顔がステイックを握った瞬間、別人のような顔つきになり、仁王様か、さもなくば形通り、千手観音のように変身してしまった。smallroomのドラマーだったことは良く知られた事実だけど、実際目の当たりにして、それは間違いのない事実だと思った。
キーボードでは、Moderndogファンの間では重要な曲でミスタッチがあり、ハラハラしたけれども、それを帳消しにするくらいの情熱的なドラム演奏だった。多分、彼のキュートな感じのマンガしか知らない女の子たちは、そのギャップにますますハートを鷲掴みにされ、特製のナム・プリックを数滴振りかけられたにちがいない。

アニメーション上映は新作もあって、もはや安定感すらある面白さ。キーボードによる伴奏もいいけれど、ドラムやパーカッションで合わせてみたらどうだろう?絶対面白いと思うけれど。
 


もう一つの事件はPodさんが日本語で歌を歌ったこと。曲はなんと、フィッシュマンズのBaby blue。
多分、耳コピで覚えたのであろう。亡くなったボーカルの佐藤くんの癖まで覚えてしまっていて、彼が乗り移ったように聴こえてしまう。楽しいようで物悲しい、そんな歌声。

Podさんの日本でのアコースティックライブは、彼がフジロックに遊びにくる度に「ついでに」実現する、というのがファンの間での共通認識だけど、今年のフジロックの出演者の中でどれが一番良かったか、本人に聞いてみたところ、「クラムボン」という答えが返ってきた。どうやら日本の音楽にもかなり精通しているらしい。(リップサービスということもあり得るけれど)
「僕らがフジロックで演奏したら、観に来るかい?」というので、「もちろん!」と答えておいた。


最後はアンコールに答える形でBear-garden +Lakin' from Kiiiiiの連中も加わり、全員でセッション。
Moderndogの締めの定番曲、”Wee-taan" (インド仏教神話に出て来るコウモリの妖怪)を演奏。
音のシャワーを全身で受けながら、寝不足で大阪まで足を運んだ僕は、本当に失神するかと思ったほどの恍惚感を味わった。

Moderndogが所属するBakery musicがソニーに身売りされたという。
契約上か、あるいは製作方針で折り合いがつかず、Moderndogは今、どこのレコード会社とも契約をかわしていない、フリーの状態なのだそうだ。
これは彼らにとっての危機なのだろうか?世界は彼らを放っとくはずはないと思うけれど。
5月に大規模なライブをやったばかりなのに、信じられない話だ。

ライブのあと、あるコアなファンに聞いたところによると、数ヶ月前はフジロックで彼らが演奏するというかなり信憑性のある話が持ち上がっていたという。ソニー傘下のBakeryと再契約すればそんな話も容易に進んだかもしれない。

「僕らがフジロックで演奏したら、観に来るかい?」
「もちろん!」
僕の答えを受けて、Podさんが満面の笑みを浮かべ、高笑いした。

後になって思えば、それは自虐的な冗談とも、自信があるともとれる、高笑いだった。

大阪の夜、Baby blueがループした。




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