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ペマ・ツェテン [チベット・ブータン]

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「ペマ・ツェテン映画祭 チベット文学と映画制作の現在」
@映画美学校試写室 2013年12月7日(土)・8日(日)


フィルメックスでグランプリをとった『オールド・ドッグ』('11)の衝撃が記憶に新しいペマ・ツェテン監督の特集上映へ。
『静かなるマニ石』(06)と『ティメー・クンデンを探して』(08)を観て来た。
いやー、本当に素晴らしい監督です。作家としても知られており、その才能に感嘆せざるをえません。

●『静かなるマニ石』(06) ペマ・ツェテン監督

キアロスタミや張芸謀の児童映画に比肩するような、素朴だが味わいのある至宝級の傑作だった。
チベタンの少年僧が正月休みに実家に戻り、近所の人々と交流する姿を描く。西遊記のTV番組に夢中になった少年僧はそれを寺にいる先生たちに見せたいと思い、父親に頼んでテレビとビデオを馬に担がせ、寺へ戻って行く。往路にあったマニ石彫りの老人は亡くなっており、少年僧は彼のためにお経を上げる。少年が聖から俗へ、俗から聖の存在へと変化する地点にマニ石彫りのテントがあるように見える。村の祭りで手に入れた孫悟空のお面が効果的に使われていて、ジュブナイルものとしても、政治的な意味においても深く胸に迫る。(孫悟空のお面を懐にしまうシーンは、中国を暖かく抱き込むイメージに感じた)

●『ティメー・クンデンを探して』(08) ペマ・ツェテン監督

撮影隊一行は、「社長」と呼ばれる男の案内のもと、歌劇「テイメー・クンデン」をモチーフとした映画の役者探しをしている。一行が巡る村々で「ティメー・クンデン」の名場面が披露されていく。車中で「社長」が自分の初恋話をする一方で、その話に耳を傾けていた一人の娘は去って行った恋人に会う決心をする。
『静かなるマニ石』でも「ティメー」の劇が重要な要素として出てきており、この映画とリンクしている。

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無料で配られた冊子「セルニャ」(チベット文学研究会発行)。   
『静かなるマニ石』の脚本や『ティメー』の撮影日誌ほか、ペマ・ツェテン監督の創作の裏側を余す事なく伝えてくれる。イラストつきの詳細な解説も。               


チベット文学の現在 ティメー・クンデンを探して

チベット文学の現在 ティメー・クンデンを探して

  • 作者: ペマ・ツェテン
  • 出版社/メーカー: 勉誠出版
  • 発売日: 2013/12/13
  • メディア: 単行本



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