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エドウィン(映画作家) [インドネシア]


第25回東京国際映画祭「インドネシア・エクスプレス〜3人のシネアスト」で紹介されたエドウィンの作品には心底驚かされた。1978年生まれ、スラバヤ出身のエドウィンは、自身も中華系のマイノリティであり(監督自身の説明によると3世)、自らの出自から社会を照射する作品世界は、今までのインドネシア映画にはなかった新しさを感じる。また、ヒップホップ的な感覚、音楽の使い方もすごくセンスがあると思う。
短編『木の娘・カラ』は三部作のうちの一つで、大阪アジアン映画祭でも上映されたようだ。グローバリズム批判的で、今となってはちょっと古くさいテーマに見えるけど、別な意味を孕んでる可能性もありそうだ。新作『Someone's Wife in the Boat of Someone's Husband 』(2013)が完成間近。


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●『空を飛びたい盲目のブタ』('08)

相当に面白い作品。ブラックな笑いあり、S・ワンダーの曲を合唱したりと、一見飄々とした感じだが、見終わると華人のおかれた境遇をかなり自虐的に描いた作品だとわかる。
中華系の「盲目」の歯科医ハリムは、イスラムに改宗しようか、米国に移住しようか考えている。妻は無く、助手のモスリムの女に人気番組「プラネット・アイドル」に出させてくれるならあなたの子を宿してもいいといわれ、患者ヤッヒャ(ジョコ・アンワル監督)のコネを使おうとする。しかし、その患者はゲイで、その代償としてハリムはお尻の貞操を奪われる。
娘の姉の方はバドミントンの代表選手(中国代表と揶揄)。妹のリンダは爆竹を操り、虐められている華人の男子を助けたりする。その10年後、成長したカップルはスハルトを退陣に追いこんだ「ジャカルタ暴動」の映像を観ている。(この事件で犠牲になった華人は千人以上にのぼると言われている)
時折挿入される縄につながれていたブタ(華人の繁栄の象徴)は最後に自由になったが、現状はそれほど変わらない(と監督の弁)。ハリムが改宗して、赤ん坊を得る事と引き換えにゲイ(非華人)に種付けされる象徴的なシーンはウー・ミンジン監督の『タイガー・ファクトリー』('10)へと繋がりそう。
ロッテルダム国際映画祭国際批評家連盟賞受賞作。


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●『動物園からのポストカード』('12)

幼い頃、親に捨てられたラナは動物園で育ち、飼育係にまで成長。そこは、動物のほか、所属の曖昧な人が住むサンクチュアリのような場所だった。が、正式な雇用者以外、住めなくなるという話が。カウボーイの手品師に惹かれたラナは、外の世界へ。
「生域外保全」「固有種」とか動物保護の観点から、監督の出自を考察しているのか?手品のミスディレクションというコードも有効か。手品師がマジックで忽然と消えた後、ラナが風俗マッサージ店で働く後半では、男性客が動物に見えたり。観る/観られる、管理する/される〜視点の移動が面白い。
主演の子もかわいいが、カウボーイの手品師(ニコラス・サプトラ)が第一印象、張国栄に似てると思った。ジャカルタにあるラグナン動物園が舞台で、キリンのキャラクターの白いバスが可愛い。



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