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イメルダ  [フィリピン]


イメルダ [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ジーダス
  • メディア: DVD




『イメルダ 美貌と権力を手にした「女帝」の生涯』

マルコス政権の20年間、フィリピン共和国のファーストレディとして政治に関わり、贅の限りをつくしたイメルダ夫人。彼女が生い立ちから現在までの人生を語った初めてのドキュメンタリー。
 

イメルダ夫人といえば、まず思い出すのはマラカニアン宮殿に溜め込んだという3000足の靴。1986年の無血革命時、マルコス一家の逃亡直後の宮殿を写したTV映像の中で、それは繰り返し報じられた。国民の血税を不正に横領して購入したものとされ、政治を裏で操った強欲な女というイメージを彼女に植え付けた。しかし、実際の彼女は、一体どういう人物なのか。

残念ながら、制作側はイメルダ夫人の圧倒的存在感に負けている。本来なら、不正蓄財や、ベニグノ・アキノ暗殺の真相を直接追求してもいいと思うのだが、むしろ、イメルダ夫人のペースにはまり、彼女の活動の宣伝を撮らされているような感じすらする。夫の死後、亡命先のハワイで優雅な生活を送っていると思いきや、現在はフィリピンに拠点を置いて、ファッションブランドを立ち上げたり、息子たちを政界に送り込み、その政治的手腕を発揮しているようだ。齢80になっても、それなりの美貌で愛嬌をふりまきながら、地元民の圧倒的支持を得て、常にマスコミの格好のネタになってきた彼女は、まさに「大物演技派女優」だ。彼女の本当の素顔を暴くにはもう少し冒険が必要な気がする。

彼女が幼少時代、アーヴィン・バーリンの前で歌を披露したという微笑ましいエピソードや、故マルコス元大統領の遺体が、レーニン、毛沢東、ホーチミンと同じように冷凍保存されているという事実には驚いた。(その金はどこから出ているのだ??)アロヨ大統領の任期切れに伴い、次期大統領選挙の候補者に故アキノ大統領の長男の名前が挙がっているという。世襲制はどの国でもあるようだが、今後のフィリピン政界は、アキノvsマルコスの因縁も引き継がれる事になりそうだ。全体的に、物足りなさは残るが、フィリピン現代史を俯瞰する上で好材料になると思う。(★★☆)


2004年/フィリピン=アメリカ
監督:ラモーナ・ディアス
出演:イメルダ・マルコスほか
配給:ユナイテッド・エンタテインメント
上映時間:103分
公開:2009年9月12日より、ポレポレ東中野ほか全国順次ロードショー
公式HP:http://www.imelda.jp

第20回サンダンス映画祭 ドキュメンタリー部門 最優秀撮影賞
第19回国際ドキュメンタリー協会 ABCニュースソースアワード受賞
 
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