ケチャップ [香港特区]
(以前のリンクが切れていたので、この曲を。本当は" Where is love"を貼り付けたかった)
香港が中国に返還されて10年。早いもんですね。
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孤高のソングライターKenによる一人ユニット"Ketchup"の音楽には、ビートルズやキンクス、あるいはドノバンなどのソングライター、そして数多の消えて行ったインディーバンドを含む英国音楽の伝統と歴史を感じずにはいられません。(上の映像の曲だけ聴くと誤解を生んでしまいそうですが。)彼のような音楽ががなぜ英国植民地下ではなく、中国返還後にようやく登場したのか。確たる理由を見出せずにいます。
実質ファーストアルバムの『Sweet- Smelling』のライナーには“This is demo"の但し書きがありますが、これがデモ?という感じのクオリティーの高さがあります。その後発表された4枚のアルバムも同じような肩肘の張らない自然なスタンスで制作されています。こういう手作り感が彼の卓越したメロディーと相まって独特の世界観を生み出しているように思います。
二作目『Village Man』には、あのBathing ApeのNigoがドラムを叩いていたり、(Tシャツとボックスセットが日本でも売られたようですが)俳優のサム・リーが参加していたりする曲があり、交友関係の広さを伺わせます。
賛否両論だったエリック・コットの監督作品『ドラゴン・ヒート』(1999)のサントラに2曲インスト曲を提供した時がデビューになるのでしょうか。Kenはエリック・コットの事務所Double Xのグラフィック・デザイナーだったようです。
増殖しつづけるビルがまるで蟻塚のようにみえる香港。また道行くたびにすれ違う大陸人を見るにつけ中国に飲み込まれつつあることを実感する香港。Ketchup の曲にはそういった香港らしさは微塵もありません。どちらかというと都市というよりは自然溢れる田舎町、あるいは寂れてしまった地方都市が似合います。(香港というよりはむしろマカオかな)。
彼が育ったというベッドタウンの新界(New Teritory)は、かつて自然で溢れていたそうなので、その時のイメージが彼にこういった曲を作らせるのかもしれません。
http://www.iamketchup.com/
http://musvie.tripod.com/music/interview/ketchup/ketchup.html
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