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浜辺の女 [韓国]

東京国際映画祭、一本目。ホン・サンス監督の新作『浜辺の女』を観た。

主人公はいつもの”ダメ人間”風の映画監督。シナリオが出来ないので、旅先の宿で書き上げようと、後輩を誘う。後輩は”恋人”もいっしょに連れて行きたいという。かくして3人は浜辺のコテージに滞在することに。

①男A+(男B+女A)→(男A×女A)+男B

②男A+(女A' +女B)→(男A×女A')+女B

③女A×男A×女A'→ 男A+(女A=女A')

④男A+女A+女A'

(観ていない人には意味不明の博士の数式)

男女の機微、見栄、誤解、嘘、すれちがい、をそこはかとない可笑しみの中に描く。魅力的な言葉の応酬もあって、小気味いいテンポが好感をもてる。気になったのは、主人公の映画監督が二人の女と関係をもつ過程で、似ても似つかない女ふたりを「似ている」というところ。それは女Aも女A'も彼にとっては「同じようなもの」を意味していて、さらに男と女の絶対的な違いを鮮明にさせる。「旅先のレストランで出くわしたウェイトレスが、ソウルに住んでいる知り合いの女性と似ていて不思議な感じを受けた」という監督の体験からから着想したそうだ。
監督も会見でコメントしていたが、「三角関係が瓦解し、また新たな三角関係ができていく」構造があって、男女関係のダイナミズムの中に、人間の本性を見出そうとしているようだ。

主人公がシナリオを書き上げると、二人の女をおいてソウルに戻っていく。
劇中、ドリという名の犬が飼い主に捨てられて、また新たな飼い主に拾われパダ(海)という名前をつけられる。そのエピソードが、ラストシーンの浜辺に佇む女Aに重なる。



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