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smallroom [タイ]

smallroom smallroom compilation
~The sound from young Bangkok

ポリスター・citys
9月7日発売

ジャケット絵はタム君。
選曲・日本語訳詞はSOIの木村和博氏。



バンコクの先鋭的ポップ・レーベルsmallroomの日本盤コンピレーション『the sound from young bangkok』がついにリリースされる。

smallroomは、最先端好きで、お洒落な「デック・ネーオ」と呼ばれるバンコクの新世代と、世界中のポップ・フリークに支持されているレーベルだ。

彼らの音楽を簡単に説明するなら、「バンコクに飛び火して進化を遂げた渋谷系」というい表現がピッタリくるかもしれない。ニューヨークのとあるレコードショップのHPでは「Shibuya-kei」として売られていたくらいだから、この表現はまんざらでもないだろう。日本では「サイアム系」というのがが定着しつつあるけれども。

このレーベルの作品で、僕が初めて手にとったのはsmallroom002というコンピレーションだった。
曲が11曲目から始まるというギミックに、当初、不良品CDか?と思ったけれども、それがsmallroomの象徴する「新しい試み」であることにあとで気づいた。そして、カバージャケットから内容に至るまで、まさに「渋谷系」テイストで、しかも相当レベルが高いことに衝撃を受けた。

タイ国内では、それまで、Bakery Music所属だった Joey Boyがフリッパーズ・ギターの「friends again」を、Mr.ZがピチカートVの「Sweet soul review」をタイ語でカバーしたという布石があり、日本のポップカルチャーがかなりの浸透度で行き渡っていることは理解していたのだけれど、親しみがあって、既に懐かしささえある「渋谷系」が2001年のタイで再構築されていることに、驚きとともに、「照れ臭さ」さえ感じた。
もちろん、これは「渋谷系世代」の多分な思い込みによる所が大きいのかもしれないのだけれど。

初のコンピレーションsmallroom001(1999)(左)
 
衝撃を受けたsmallroom002~songs from the audience(2001)VCDつき 。
moor、Pengin villaの珠玉の名曲が。(右)

smallroomというのはレーベルの名前だけでなく、ルン、チャオ、ジェイの3人とクンパーンという犬一匹(微笑)のプロデュース・チームとしての実体名でもある。例えば、浅野忠信主演の『地球で最後の二人』のサウンドトラックを手がけたり、その活動はCM音楽制作、他のアーティストのプロデュースなど多岐に渡る。

中でもコンポーザー&プロデューサーとして引っぱりだこのジェイは、たくさんのアーティストに曲を提供する傍ら、自らのユニットPenguin Villaや、作家プラプダー・ユンとのユニットBua himaとしても活躍している。もちろん、この2つのユニットも今回発売の日本盤にもコンパイルされている。
(ジェイのユニットについてはいずれ、別枠で取り上げることになるはず。)

smallroom003~the new colour(2003)
日本からはNeil&Iraiza、仏からはOrwellが参加。
Charrisa、Badminton、Yuri's Nomineeが秀逸。
キー・ホルダーのおまけつき。

今回の日本盤コンピで意外だったのは、Crubの曲が、カバーも含め5曲も入っている事。

Crubというのはsmallroomメンバーのルンがベーシストとして参加していた「早すぎたインディーバンド」と形容されるタイの伝説的なバンドだ。(音はマンチェスターとか、シューゲイザー系でカッコ良い)

去年発表されたタイ盤のコンピsmallroom004には、新世代アーティストによるトリビュート・カバーとともに、Crub唯一のアルバム『view』(94年発表)が全曲収録されているので、そのリスペクトの大きさが伺い知れる。smallroomには彼らのスピリットが想像以上に強く受け継がれているのだろう。
今回発売の日本盤コンピは、こういったレーベルの歴史から現在の流れを丁寧に紹介する構成になっている。


(と、書いているけど、実はまだこの日本盤を聴いたわけではなく、発表されたリストと手持ちの音源から想像で書いています。)

SR004:viewed+Crub:view(2004)
伝説のバンド、Crubトリビュート+オリジナル復刻の2枚組

そのほか、昨年のSOI フェスティバルでも演奏され、僕の脳裏に強烈な印象を残したDeath of a salesmanのCrubカバー曲「Sook jai 」、ブレイク中のArmchairの「photograph」も渋い名曲だし、Stylish Nonsenseのピコピコ電子音も納得の選曲。そして、タイのエレクトロニカ〜音響系レーベルSO::ONのコンピに入っていた、Gooseというポストロック系の新しいバンドの音も是非チェックしたい。

昨年、バンコクで行われたSOIのイベントにコーネリアスが出演したのは感慨深かった。90年代の「渋谷系」のカリスマが、21世紀の「サイアム系」とリンクした瞬間だったから。

「渋谷系」を吸収しつくした「サイアム系」が、これからどこへ向かうのか。ムーブメントを牽引するsmallroomからは今後も目が離せない。

smallroom005~mini mart(2005)
CMソング集。

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コメント 4

モンキーカネコ

祝・ペンギン・ヴィラ来日初ライヴ!!

ミスターSmallroomことJay (aka ペンギンヴィラ, Buahima) がSOI Music Festivalに出演します。どんなライブになるのか本当に楽しみです。
by モンキーカネコ (2005-10-30 01:37) 

ケン@Fleececrew

はじめまして
アジアの音楽がポップカルチャーが好きで色々と聞きたいのだけど全然聞けるような場所がなかったのでDJやアジアに対して知識はないですが無我夢中で新宿区でアジア音楽DJパーティーをやってるケンといいます。

今色々とCDを買ったり自分のセットリストを綺麗に整理してる段階で
最近気に入ったsmallroomのことを再度調べようと検索してたらたどりつきました。
このブログを読ませていただきなるほどとうなるくらい大変勉強になりました。ありがとうございます。これからもアジアポップカルチャーを勉強させていただきます。
by ケン@Fleececrew (2005-11-11 14:19) 

モンキーカネコ

ケンさん、書き込みありがとうございます。
実際に音楽活動されている方からのコメント、大変、励みになります!

ちょっとネットで検索させてもらいましたが、いろいろ活動されているんですね。
なんと、今日ですか? 新大久保と浅草で12時間に及ぶDJパーティーをするのは。。。。
どんな曲がかかるのか気になりますね。頑張ってください。

http://f3.blog24.fc2.com/
by モンキーカネコ (2005-11-12 13:40) 

ケン@Fleececrew

おお!返信ありがとうございます。
12時間パーティーくたくたになりました。。(笑)
アジアの音楽をもっと知りたくて初めてのがはじまりです。

新大久保では本当にべたなDJDOCやコヨーテ、コプギのパーティーソングから
OldfishやCLAZZIQUAI などの最近の韓国の音楽とかをかけました。
今回はイベント的に盛り上がりがイマイチで。。(笑)
かける音があまりにも差があるからかなとか思ったりもしてます。

浅草は夜ってことで他のアジアと関係ないDJもいるので。。(笑)
ちょっとアジアの音楽もかっこいいのよってのを見せたいために(笑)
今回はK-POP好きの女の子と2人で交互に回して
はじめsalesmanから回してアジアの新しさを回しつつ。交互にコリアンヒップホップやバングラなどをはさんでいきって感じで。。
欧米系をかけてるヒップホップDJからコリアンのヒップホップにかなり関心を示されました。ちょっと嬉しかったりしました。。
今後もちょくちょく拝見させていただきます。
なんか面白い感じの新しい音あれば教えてくださいね。
by ケン@Fleececrew (2005-11-15 20:39) 

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